腕時計パーツ、部位の名称
腕時計の修理相談の際に、各パーツ(部位)の名称がわからず、説明が難しいという声を頂きます。以下に各パーツ(部位)の名称および、起こりがちなトラブルなどについてご案内いたします。
パーツ、部位の修理対応
それぞれの部位について説明いたします。
ダイヤル(文字盤)
腕時計の文字盤。湿気が入ると文字盤表面が劣化しやすい傾向にあります。またシルバー・シャンパンダイヤルなど経年による焼け・変色は、文字盤交換が必要なのでメーカー修理をおすすめします。
文字盤書き換えをする方法もございますが、メーカー修理が受けられなく場合がございますので弊社では対応いたしておりません。
オーバーホールについて
インダイヤル
クロノグラフなど現在時刻とは別の表示に用いられる小さなダイヤル。 文字盤のずれによって針が取れてしまう場合があります。この場合、針の取り付けだけでなく、文字盤の修理や、針に直結する歯車の交換を要する場合があります。
ガラス(風防)
ダイヤルを保護するパーツで、現代ではサファイア風防が一般的です。サファイアガラスは傷つきにくい分、傷がついたら磨くことはできません。一方で旧型のプラスチック風防のモデルは磨くことが可能です。
ロレックス、オメガ、チュードルなどは専用の風防が出回っていますが、その他のブランドは流通がありません。時計によっては作成できる場合があるのでご相談ください。
ガラス交換、傷の研磨
ケース
腕時計の本体であり、ムーブメントを収納する容器の役割を担うパーツ。
防水時計であっても汚れがたまると錆びて傷むことがあります。オーバーホールの際にはケースの洗浄も行っています。
ポリッシュの場合、メッキ・チタン・セラミックなどは硬質であるため研磨ができません。
時計の磨き、傷消し
ベゼル
風防の周囲に取り付けられるパーツ。タキメータなど数字やメモリが彫られているものは、攻めて磨くことができません。再塗装(スミ入れ)も対応いたしております。
シーマスター等、プリントがされているものは取り寄せができませんので、メーカーへ直接ご依頼ください。
時計の磨き、傷消し
ラグ
ケースの上下に突き出す形で取り付けられたバンドを装着するためのパーツ。ケースと一体となっているものも多い傾向にあります。
バンド(ブレス・ベルト)
腕時計を腕に装着する部分。バンド(ブレス・ベルト)が破損した場合、多くのメーカーはベルト一式交換であるのに対して、当店は部分修理のため、リーズナブルですが一式交換と比較をすると強度は保証いたしかねます。
修理の際はブランドや状態によってさまざまなのでまずはご相談ください。
フラッシュフィット・弓環(ゆみかん)・エンドピース
ラグとラグの間にある、ブレスを連結させるためのパーツ。主にロレックスの旧モデルに使用されていましたが、現在ではより強度を得るため殆どのモデルでブレスとの一体型を採用しています。
リューズ(竜頭)・リューズガード
ゼンマイを巻き上げたり、カレンダーや時刻の調整等を行う際に使用するパーツ。防水時計の場合、ねじ込み不良が多いのが特徴です。ロレックス・チュードル・オメガ・その他一部のシリーズ(IWC・ゼニス・ブルガリ・タグホイヤー)以外のブランドは部品の入手が非常に困難ですのでメーカー修理をおすすめしております。
一部の機械式時計・クオーツ時計などはパッキンと一体型となっているため、見た目が問題なくても、パッキンの劣化によってリューズ交換となる場合があります。交換できない場合は防水性が高まるように作業をさせていただきますが、防水性能は低下します。
プッシュボタン
主にクロノグラフを作動させるための操作ボタン。リューズ同様のトラブルが起きやすいパーツです。更に使用頻度が低さと、特有の形状から汚れがたまりやすく、そこから錆び・破損につながりますので定期的なメンテナンスが必要です。
衝撃などによって外れてしまった場合、元のプッシュボタンがあれば修復できる可能性がありますので、修理の際は一緒におもちください。
オーバーホールについて
バックル
バンド(ブレス・ベルト)を留め固定する金具。もしくは革ベルトをワンタッチで留められるよう工夫した金具の事を指します。モデルによって様々な形状があります。
パーツの欠損の場合に修理可能なブランドはオメガのみとなります。バックルの緩みがある場合はオーバーホールとあわせて調整することもございますが、経年の影響で使用とともにまた緩んでしまう場合があります。